一ノ瀬さん家の家庭事情。®️
浅丘君と帰る日なのです!

「へえ、じゃあお盆は田舎に行くんだね。」

「うん!玲とね。」

まだブーブー言ってるしつこい玲さん。

でもお小遣いのことを言うと何も言わなくなるから、相当嫌なんだろうね、本が買えなくなるのが。

「そっか、じゃあ夏休み、…なかなか会えないね。」

えっ?

「で、でも部活とか、あっ、明日からの合宿もあるし…」

「そうじゃなくて、…その、二人でっていうか…」

二人!?

そっか、そういえばあたし、浅丘君とまだ付き合って一度しかデートらしいデートっていうものをしたことがない。

「最後の日!…夏休み、最後の日、一緒に勉強しませんか?」

次の日がテストだから、どこかに遊びに行くのは無理だけど。

「うん!一緒に!」

ニコッと笑うその笑顔、ズルい…

帰り道は短い。

あっという間に家についてしまう。


「じゃあ、また明日。」

「うん!ばいばい!」

明日から、いよいよ夏合宿です!
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