一ノ瀬さん家の家庭事情。®️
急に肩に手を置かれて、振り返るとそこにいたのはバスケのユニホーム姿の男の人。

多分、同い年くらいかな?

「さっきからキョロキョロしてるから、もしかして迷っちゃったの?」

あたしそんなに挙動不審だった?

「えっと…その…」

「もしかして、春日台のマネさん?」

えっ?

なんで知ってるの?

と思ったけど、自分の着ている体操服に思いっきり書いてたわ!

「へえ、俺、春日台に知り合い結構いるよ!中学の時何回も試合したからさ!」

そうなんだ…

「じゃ、失礼…」

「待って。」

パシッと手を掴まれる。

「名前教えてよ。」

なんで?

この人ももしかして軽い人?

なんだか最近あたしの周り、軽い人多いなぁ。

「いや、あたし戻らなくちゃいけないので!」

「いいじゃーん!名前くらい教えてよ!すっごく可愛いよね!」

やっぱり軽い!

「愛ちゃーん!何してんの!みんな待ってるよ!」
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