一ノ瀬さん家の家庭事情。®️
く、久住君…

ちょっとあんた、久住君はこれでも元エセヤンキーなのに!

そんなふうに喧嘩売ったらどんな目に合うか…


「なあ、お前ら、こいつこれでもバスケ部なんだぜ!こんなチビなのに必死でやってんの!惨めだよなー!」

どうやら後ろにいた二人の人は後輩のようで、ニヤニヤしながらそいつは同調を求めた。

「通過もうやめたら?無駄じゃん。チビがコートの中チョロチョロしてたらこっちも迷惑なんだよね、見えなくてさ!」

ブチ!

あたしの中で何かがキレた。

「いい加減にしなさい!人のことそんなふうにしか言えなくて、かわいそうな人間!その人のことよく知りもしないくせに、勝手にあたしのたいせつな葉ちゃんのこと、悪く言わないでよ!」

思ってたよりも全然大きな声が出た。

そして行った直後、足が震える。

自分よりも遥かに大きくて、しかも男の人。

そんな相手にあたし、啖呵なんて切っちゃって…
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