一ノ瀬さん家の家庭事情。®️
あっ!

思い出した!

去年入学したばかりの時、たしかそんなことがあったっけ。

生まれて初めての告白されて、舞い上がる暇もなくいつものごとく悪魔ブラザーズの一人、真兄の邪魔が入って…

「思い出してくれた?」

「えっと、…はい…」

なんだかものすごく気まずい…

「なら良かった、改めまして俺、柚之木翔!よろしく!」

すごくフレンドリーな笑顔。

きっとこの人、モテるだろうな…

けど確か、この人って…

「でさ、俺まだ一ノ瀬さんのこと、諦められないんだけど。つうか近くで見ると更にかわいいね。あ、そっちの子も友達?かわいいねー!」

そうだよ、この人ってすごく軽くてちゃらそうって思ったんだよ!

はるひちゃんも困惑顔。

「そこ、俺の席なんだけど。」

その救いの声が頭上から響いた。

「あれ?優大じゃん!同じクラスだったんだ。髪黒く戻したの?なんか真面目になっちゃって。」

凄みが聞いてる久住君にも屈さないこの態度。
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