一ノ瀬さん家の家庭事情。®️
「うん、よく言われる!海司君は兄弟いるの?」

ここは話を広げないと!

「うん、兄ちゃんと妹。」

「へえ、あたしたちもお兄ちゃんいるよ!三人!」

「三人も?じゃあ愛の家、大家族じゃな!」

なんだか話しやすいかも。

にしても玲さん、なにか話そう?

「で、愛と玲は幸さんの娘なんよな?」

あっ…

えっと、…

「海ちゃん、ちょっと手伝って!たなの上のお茶、とって欲しいんよ。」

おばあちゃんの声がしてホッとしてしまう。

「あ、あたしも手伝うよ!」

「愛は背届かんじゃろ!」

それから海司君はもう聞いてこなかった。

おばあちゃんの手伝い、あたしは基本的に料理をすることに。

玲はおばあちゃんに言われて海司君と一緒に近所に住む魚屋さんに行くことに。

すごく不安。

って、なんであたしが?

いや、あの玲さんのことだ。

相手が初対面だろうがなんだろうがズケズケ言ってしまうからな…
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