一ノ瀬さん家の家庭事情。®️

次の日、あたしは朝六時半に起きていた。

んー！

朝の早い空気は綺麗に澄んでいて、気持ちいい！

「おばあちゃん！あたし散歩に行ってくるね！」

あたしより早く起きている小夜おばあちゃんに声をかけて外に出る。

朝日が体を包み込んで、新しく生まれ変わるような気分になる。

海があるんだっけ。

今日海司君が連れて行ってくれるって言ってたっけ。

楽しみ！

海なんて何年ぶりだろう。

「あれ！愛！」

と、なんてタイミングの良い！

「おはよう、海司君！」

「はよう起きたんじゃな！玲は？」

「まだ寝てるよ。」

玲はきっとお昼近くまで起きては来ないだろう。

「今日は海に行くんでしょ？」

「おう！ここの海はすっげえ広いんじゃ。」

へえ！

楽しみ！

「そういえば海司君は部活とかしてないの？今夏休みだよね。」

練習とかないのかな。

「今はお盆休みじゃろ！俺は部活はしてないんじゃ。かわりに毎日海に行っとる。」