一ノ瀬さん家の家庭事情。®️
ピンポーン

あっ、ちょうどいいタイミング!

「愛!海行く?」

海司君がやってきた。

「行く!」

「玲は?ほんまに行かんの?」

「行かない。」

本当にいいんだねー?

向こうじゃ海なんて滅多に行けないもん!

「じゃ愛、行くか!」

「うん!」

なんかこれぞ夏休みって感じ!

外に出るとセミの大きな泣き声が響いている。

「夏だねー!」

「そうじゃな、って当たり前じゃ!愛っておもしろいな!」

そう、かな?

「この辺は夜になったら蛍も見えるんよ。また見に行こうで。」

蛍!

すごい!

見たことがないよ、蛍なんて!

「それに今週の土曜日には花火大会もあるけえな!愛、こっちにいつまでおるん?」

「来週の月曜日までいるよ!楽しみだなー!」

そういえば花火大会、今年は夏合宿とかぶってて行けなかったな…

あたしの昔からの憧れの一つ、浴衣でお祭りデート。

今年はその夢が果たせなかった。
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