一ノ瀬さん家の家庭事情。®️
でもまあ贅沢ばかり言っちゃいけない。

浅丘君と付き合えたことが奇跡なんだから!

…今、浅丘君なにしてるんだろう。

そういえば昨日からメールしてないや。

「愛?」

「えっ!なに?」

ボーッとしてた。

「ついたで。海!」

顔を上げると目の前に広がる海。

波が光に反射してキラキラ光ってる。

「きれい!」

「ほら、行くで。」

っと、足元が歩きにくい。

砂浜って足を持って行かれちゃう。

「腕、掴んでええよ。」

え…でも、…

「転んだら大変じゃ。ほら、ええけえ。」

じゃ、じゃあ…

あたしは海司君の腕をつかんだ。

「波打ち際まで行ってみようで。冷うて気持ちええよ。」

サンダルを脱いで波打ち際まで歩く。

「わっ、冷たい!」

足をつけるとひんやりとしてて気持ちいい。

「今はお盆じゃけ、泳げんけど7月の海開きから地元のやつらと毎日海にきょうたんよ。競泳とかして。」
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