一ノ瀬さん家の家庭事情。®️

complex：２

始業式の次の日、バスケ部の朝練に行くとすでにもう浅丘君が来ていてシュート練習をしていた。

足元に転がってきたボールを拾う。

「あ、一ノ瀬、おはよう。」

ま、眩しい！

今日も朝から爽やかさ満点！

「おはよう、浅丘君！」

朝の爽やかな空気の中で二人っきりなんて、ロマンチック…

「愛ちゃーん！聡太！おはよー！」

…短い夢だったね。

「おはよう、葉ちゃん。」

「こら、葉ってばせっかく愛と聡太が二人でトキメキあってたのに邪魔しちゃって！」

「え！？俺、邪魔しちゃった！？」

賑やかな部室で始まったのは新クラスの話題。

「聡太とあたし、学級委員押し付けられちゃって。ほんと、ついてないわ。」

ほのちゃんがため息をつく。

「でも担任がイケメンセンセだからまあいっか。」

ほのちゃんのいうイケメンセンセとは今年の冬、産休の先生に変わってこの学校に赴任してきた神崎朔先生のことだ。