一ノ瀬さん家の家庭事情。®️
せっかく誘ってくれてるんだ。

行ったほうがいいよね。

あたしは外に出た。

夏の夕方の風は心地いい。

さっきまでの心の中のモヤモヤを浄化していくみたい。

なんで、思えたらいいのにね。

「愛、こっちで。」

頭の中には愛奈ちゃんの声と浅丘君のことばかり。

なんだか帰りたくなくなっちゃったかも。

「愛、そこ気をつけて。」

結構草むらに入るんだね。

もう暗くなってきてあんまり前が見えない。

「顔上げてみ?」

海司君の声に顔を上げる。

「わあ…!」

そこにはたくさんの小さな光。

ホタルってこんな風に光るんだね。

すごく綺麗。

「今日は特にすごいなぁ。愛が最後じゃけえ、サービスかな。」

海司君が言う。

「なあ、愛。俺、愛が好きじゃ。」

へ?

えっ!?

「か、海司君!?」

ちょっと突然すぎやありませんか?

私、今告白されたんだよね!?
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