一ノ瀬さん家の家庭事情。®️
「そういえば優、三者面談の時に東京の有名私立に行けるって言われたんだって?行かねえの?」

そうなの!?

優兄、さすが!

「俺は行かないよ。さすがに二人も私立で家を出たら、大変だし。」

「優!もし行きたいなら遠慮なんていらないぞ!俺は応援する!」

あたしも、応援…する。

けど二人とも家を出て行っちゃったらなんだか寂しくなる。

それに優兄はあたしの心のオアシスなんだから、特に。

「いや、いいって。俺の第一志望は律兄と同じ朝比奈大だよ。」

そっか。

優兄も真兄も受験生だもんね。

来年からは大学生なんだ。

「優なら余裕だろ!文学部だっけ?」

「うん。でも頑張んないと。」

優兄は毎晩夜遅くまで勉強してるから、きっと合格できると思う。

「みいと同じとこ目指すんだろ?」

「…まあ、ね。」

へえ!

みいちゃんと同じ!

なんか素敵だなぁ。

「じゃあ、俺も報告!バイト一つ増やすことにしました!」

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