一ノ瀬さん家の家庭事情。®️
「久住君が飼ってくれるって。わかる?うちのクラスの…」

「わかるわけないでしょ、自分のクラスのやつも覚えてないんだから。」

玲さん、もうすぐ二学期ですよ?

そんなこときっぱりというの、やめません?

「バスケ部の人で、背が高くて…」

「バスケ部で背が高い人なんでいっぱいいるでしょ。」

ん、まあ…確かにね。

「そっか、飼い主、見つかったんだって。よかったね、お前。」

リンに話しかける玲はいつもとは別人みたいに優しい表情。

「玲、愛、ご飯だよ。」

優兄がノックしてドアから顔をのぞかせる。

「はーい。」

「リン、いい子にしててね。」

あたしにもそれくらい優しくしてよ、今落ち込んでるんだから…

「ん?どうした?今日は愛の好きな冷麺だぞ?」

りっちゃん…

元はと言えばりっちゃんが変な約束ごと作るから!

あんなの、契約破棄にしちゃえばいいのに!

「食べないなら俺にくれ!勉強ばっかしてて腹減ってんだよ。」
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