一ノ瀬さん家の家庭事情。®️
柚之木君の思考回路って謎。

「愛ちゃんっていつから浅丘君と付き合ってるの?」

台本にマーカーをひきながら柚之木君が言う。

「…今年のバレンタイン。」

「へえ、どっちから告白したの?」

どっちから?

あたしから?だよね?

「て、ていうかなんでそんな聞くの!」

なんだかすごく恥ずかしい!

「だって気になるから。愛ちゃんのこと。」

また、冗談ばっかり。

本当にチャラいんだから。

騙されないよ?あたしは!

「柚之木君ってよくそんなことさらっと言えるね。」

感心と呆れと半々の言葉を口にした。

その瞬間、ガタンと音がして、柚之木君が急に立ち上がった。

「…俺、本気だよ?」

え?

ほ、本気ってなに!?

「っ…ププ!なにその顔!めっちゃ赤いよ!愛ちゃんってばカーワイ!」

あっ!!

やっぱりからかわれてたんだ!

もう!

一瞬でも気にしたあたしがバカだった!
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