一ノ瀬さん家の家庭事情。®️
「つうかさ、玲!お前さっきからなんでそんな仏頂面してんだよ。目の前でそんな顔されたら、飯もまずくなるっての!」

そうだそうだ!

「…別に。そんなの真兄がこっち見なきゃいいんじゃん。」

「そういう問題じゃねえの!もしかして、彼女とうまくいってないとか?」

そうなの?

「関係ないし。うるさい。黙って。」

…あ、

これは、図星っぽい。

「はいはい、そこまで。ご飯冷めちゃうよ?食べよ。」

優兄が手を叩いて喧嘩は一時休戦。

「愛はどう?新しいクラス。楽しい?」

優兄に聞かれて、あたしは思わず苦笑い。

「うーん、まあまあかな。」

「何か悩みがあるなら溜め込んじゃだめだよ。」

やっぱり優兄は優しいなぁ。

ほんと、いいお兄ちゃんだよ。

「そういや優、今年度から生徒会長になったんだろ?お前もよくやるね。そんな面倒な役。」

「そういう真だってバスケ部のキャプテンでしょ。」

二人とも大変そう。
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