一ノ瀬さん家の家庭事情。®️
complex:26
空港から帰ってくると、直君はソファに寝転んだ。

あ、れ?

疲れちゃったのかな?

「直、君?」

「あ?なんだよ、クソだるい…」

えっ

ええっ!?

誰この人!?

数分まえまでのエンジェルはどこへ!?

「あー、だるい。なんで俺がこんなとこに住まなきゃなんないの?本当迷惑。」

この態度にはみんな唖然。

あの玲ですら少し驚いている様子。

「家族の仲良しごっことか、鳥肌たつ。くだらねえ。」

「直君、どうした?」

さすがのりっちゃんも顔が引きつっちゃってる。

「あんたらはいいの?こんなよくわかんないガキ押し付けられて。迷惑だと思わない?」

よくわかんないガキって、自分のことを言ってる?

「寝るためには帰ってくるけど、俺はあんたたちを家族だなんて認めない。」

そう言うとリビングから出て行ってしまった。

なんだったんだろう?

悪い夢を見てるみたい。

「あいつ、多重人格だったのか?」

「猫かぶってたんじゃない?」

「すごいね…」

さすがの一ノ瀬ブラザーズも圧倒されてる。

「律兄、このこと父さんたちには…」

「…いや、しばらく様子を見よう。」

こうして直君との生活が始まった。
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