一ノ瀬さん家の家庭事情。®️
「だって愛だってもし直君の状況なら、寂しくならない？知らない家に一人いるようなものじゃない。」

ほのちゃんが言ったことを頭の中でグルグルさせながら家に帰ると珍しく直君の靴があった。

こんな時間に帰ってきてるなんて、珍しい！

急いで上がってみる。

リビングには…いない。

部屋かな？

二階のお父さんの部屋が直君の部屋になっている。

あたしはそのドアをノックした。

「直君？」

返事がない。

入ってもいいかな？

あたしはドアを思い切って開けた。

あっ、直君、ヘッドホンつけて音楽聴いてる。

だからあたしの声が聞こえなかったんだね。

「直君！」

「うわっ！…なに？」

凄く嫌そうな顔されてますけど、あたしはめげません！

「ちょっとお話ししない？」

「あんたに話すことなんてない。」

愛、押さえるのよ、この子はあたしの弟なんだから！

「そんなこと言わないで、あたしもっと直君のこと知りたいなって…」
< 264 / 309 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop