一ノ瀬さん家の家庭事情。®️
「ふーん…」

すると直君はようやくヘッドホンを外してくれた。

「俺のなにが知りたいの?」

「えっと、その…直君、日本に来てまだ間もないし、不安とか…」

すると直君は床をドンっと拳で殴りつけた。

それにびっくりして、体が跳ねてしまう。

「不安?そんなのあんたに話して何になるの?」

「そ、それは…あたし、直君の一応姉になるんだし…」

直君の綺麗な目があたしを睨みつける。

その瞳に背中がゾクッとした。

「姉?ふざけるのも大概にしたら?俺はあんたなんかのこと姉だなんて思ってない。もちろん、あいつらのことも兄なんて思ってない。」

そして直君の手があたしの腕を乱暴に掴んだ。

その細い体からは想像もできないほどにその力は強くて。

「だから、こんなこともできる。」

そして直君はあたしの上に乗ってきて。

「やだっ…離して!」

「…だったらもう二度と俺に干渉してくんな。ウザい。」
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