一ノ瀬さん家の家庭事情。®️
直君はあたしのこと、姉だなんて認めないって言っていた。

正直ショックだったけど、仕方ないことだと思う。

だって突然外国から来て、大勢の家族の一員だなんて言われて。

階段を上りながら息を一つ大きく吸う。

「直君!ご飯だよ!」

返事はない。

さっきの今だもんね。

当然、か。

「食べたくなったらいつでも食べなよ、置いとくから!今日はね、りっちゃんの和風パスタだよ、美味しいんだよ。」

ドアに向かって一人で話すあたしって、なんか変?

「ご飯だけはちゃんと食べて、ね?」

今は放っておいたほうがいいのかも。

お腹空いたらきっと食べてくれるよね。

あたしは仕方なく下に降りた。

「あいつすげえ変わりようだな。」

真兄が舌打ちをする。

「もしかして直君、学校になじめてないんじゃない?フランスと日本じゃ全然違うと思うし…」

そうだよね。

まだこっちに来て1ヶ月も経ってないんだもん。
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