一ノ瀬さん家の家庭事情。®️

それからさらに、直君の帰ってくる時間は遅くなっていった。

さすがのりっちゃんもこれにはご立腹。

もともと時間にうるさいからね。

「直君はまだ中学生なんだから、気をつけないと…」

「うるさいな、関係ないし。兄貴面してんなよ。」

そんなりっちゃんをものともしない直君。

さすがの一ノ瀬家ブラザーズもピリピリモードがバロメーターを超えてきた。

「やっぱりあいつ、ここにいるの良くないんじゃね？なんかお互いイライラしてるし。」

真兄が言う。

「そもそも無理があるでしょ、あいつも中学生で、大人の事情とかいろいろ理解はできるだろうけどいきなり俺たちの中に入れられちゃ。」

二人とも直君のこと、あいつ呼ばわり。

「うーん、難しいよね、距離の取り方が。」

優兄は困ったように笑うだけ。

りっちゃんはというと、完全にショックを受けて意気消沈。

お父さんと紀穂さんは入籍はまだしていない。