一ノ瀬さん家の家庭事情。®️
半ば引きずられるように行ってしまった。

にしても、すごく可愛い女の子だった。

身長はあたしと同じか、少し高いくらいだけど手足がすらっとしてて、目がクリクリ、ピンク色の唇。

あんな目で上目遣いされたらきっとイチコロ。

「今のは隣の家に住んでる幼なじみの上原愛奈っていうんだ。俺らの一つ下で、一年生。」

ということは、後輩になるのか…

「さっき言いかけてたことなんだけど、あいつ明日から男子バスケ部のマネージャーやるらしいから、仲良くしてやってな。」

そ、そうなんだ。

幼なじみか…

だから呼び捨てにしてたんだね。

いいなぁ。

幼なじみ…

って!

あたしは今、浅丘君の彼女じゃん!

もっと自信持ってもいいはずなのに。

「一ノ瀬は中学のときは美術部だったんだよな。」

「うん、絵はあんまり得意じゃないんだけどね。」

でも絵を描くのは好きだったなぁ。

部室でのんびりお茶したり。
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