一ノ瀬さん家の家庭事情。®️
…ん?

いつまでたってもその感覚はなくて。

そっとを目を開けると、そこにいたのは…

「あ、浅丘君…?」

顔が青いよ?

どうかしたのかな…

「愛、…あれ…」

えっと、こっちに向かってまるでイノシシのごとく走ってくるのは…

「り、りっちゃん!?」

「あーーーーーーいーーーーーーーー!!!!!!」

げっ!!!

なにあれ!なにあれ!

怖いんだけど!

「に、逃げよう!」

あたしはとっさに浅丘君の腕を掴んで走り始めた。

「えっ?」

「いいから!」

どこに逃げるかなんてわからない。

だけど、きっと捕まったらやばいことになることだけはわかってる。

あたしは無我夢中で全速力で走りに走り。

もちろん、浅丘君の腕のことをすっかりと忘れていた。

「ご、ごめん!」

あたしは慌てて彼の手を離した。
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