一ノ瀬さん家の家庭事情。®️
もう!

なにやってんの!

バカ!あたしのバカ!

「良かったの?お兄さん…」

りっちゃんのことは、よくはない、けども…

「…あたし、やっぱりあの約束、守れないよ。だってあたし…」

あたしは、本当は…

「そ、聡太君と…もっと、もっと…」

もっと、なに?

なにを言おうとしてるのかしら、この口は!

「…キス、したい?」

浅丘君の顔は真っ赤だ。

でもそれ以上に、私の顔も赤くて、火が出そうだよ。

恥ずかしくて、それでもあたしは頷いた。

「愛、顔上げて…」

今度こそ!

今度こそ…

「…照れるな、…ごめん、あんま見ないで。」

浅丘君の照れる姿、かわいすぎる。

反則だよ、そんなの。

もっともっと大好きになる。

これ以上ないってくらい、好きって気持ちが溢れてる。

大好き、大好き!!

このとき幸せの絶頂だったあたしは、帰ってからの地獄の説教を想像する余地もなかったのでした。
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