一ノ瀬さん家の家庭事情。®️
「…うん…」

たったそれだけだったけど。

すごく嬉しかった。

「何のろけてんだよ!愛奈、喉乾いた!ドリンク!」

葉ちゃんのおかげでその場はなんとかやりすごせたけど。

愛奈ちゃん、どう思ったんだろう。

これから一応同じ部のマネージャーとしてやっていくわけだから、仲良くしたいんだけど…

「愛、もしかして気にしてんの?」

一年生は五時半までだから帰って、二人で片付けをしているときにほのちゃんが言った。

「うん、なんかどうしたらいいのかなって…」

「堂々としとくのが一番よ!愛奈、結構積極的だし、中学のときからずっと聡太のこと好きみたいだからね。聡太にベッタリだったから、それを妬んだ先輩なんかに呼び出しくらってもケロッとしてたし。」

ふえー、すごい!

というか、浅丘君はどれだけモテモテなんだ!

「自信持ちなよ、聡太の彼女は愛なんだよ。」

そう、だよね。

浅丘君はあたしを選んでくれたんだ。
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