一ノ瀬さん家の家庭事情。®️

complex：５

「やーやーやー、いらっしゃーい！」

玄関のドアをごきげんな様子で開けてくれたのは今日もテンション高めの葉ちゃん。

「なんでお前の家みたいになってんだよ。」

呆れたようにため息をつくのは久住君。

「上がって、一ノ瀬。」

そして今日も爽やか笑顔の浅丘君！

「聡太ん家来るの、すごい久々だわ。はいこれ、あたしと愛から。」

そう、今回の勉強会はなんとなんと、浅丘君の家ですることになったのです！


遡ること一週間前、いよいよあさってからゴールデンウィークという日の部活終わり。

「みんな、ごめん！なんか日曜日、姉ちゃんの友達が来るらしくて、家使えなくなっちゃった！」

申し訳無さそうに手を合わせる葉ちゃん。

「俺の部屋、狭いしリビング使えないんじゃ全員入るのは厳しいからさー…」

そっかあ…

家も日曜日はりっちゃんいるし、真兄たちも家にいるって言ってたしな…

「家も日曜日は無理だな…」

「俺の家も。」