一ノ瀬さん家の家庭事情。®️
「…あっそ。勝手にすれば。」

玲の声は完全に怒っていた。

そしてスタスタと歩いて行ってしまった。

「はるひちゃん、どうしてあんなこと言ったの?」

はるひちゃんは今にも泣きそう。

「あたし、最近不安で…あたしなんかが一ノ瀬君の彼女でいいのかなって…」

その気持ちは痛いほどわかる。

でも玲はきっと、大好きなはるひちゃんにそんなふうに言われたら…

でも玲もわかりにくすぎるから。

「とりあえず、部屋に戻ろう。」

あたしははるひちゃんを支えながら部屋に戻った。


部屋に戻って、ベッドに座り込んで、はるひちゃんがポツリポツリと話し始めた。

「最近ね、通りすがりの女の先輩とかに一ノ瀬君と釣り合わない、とか別れろ、とか言われることが増えてて…」

ひ、ひどい!

なにそれ!

「でもそれは本当のことだから、何も言えなくて。」

そんなの嘘だよ!

はるひちゃんと玲が釣り合わないなんて思わない!
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