一ノ瀬さん家の家庭事情。®️
ガタンガタン

少しずつ地上から浮いていくゴンドラ。

そう、あたしの永遠の憧れ。

彼氏と観覧車に乗ること!

いま、その夢がかなってる!

にしても観覧車ってなかなか緊張する空間だ。

向かい合って座ってるけど、なんだか照れてしまって、外ばかり見てしまう。

「夜乗ったら、夜景がすごいんだって!」

「へえ、そうなんだ。でも今日の夜景も楽しみだよな。」

「うん!優兄が去年撮った写真見せてくれたんだけど、すごく綺麗だったよ!」

きっと実物はもっとすごいんだろうな。

「もう明日には帰るのか…早かったな。」

「そうだね…」

でもこうして少しでも二人で回ることができてよかった…

今すっごく幸せ!

「あ、もうすぐ頂上だ。」

いつの間にか下の風景ははるか遠く。

「あれ、あそこにいるの、ほのちゃんかな?」

「一ノ瀬、あんなところ見えるの?俺みんな豆に見える。」

あたし、目はすっごくいいんだ!
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