恋の決め球はストレートに!

もしかして

もう、文化祭は3日後に迫っていた。

それなのに、私は放送部とピンチヒッターで加勢を頼まれた軽音楽部の練習で多忙だった。

だからこそ、クラスの企画の準備にはほとんど参加できていなかった。

強いて言えば、麗菜(れいな)と2人でクラスTシャツの発注、制作と資材の調達くらいだ。

それゆえ、一部の生徒から不公平だと疎まれている。

だから何だ。

そういう奴は、放っておけばいい。

言いたい奴には言わせておくのがいいのだ。

そう強がっても、心のモヤモヤは晴れなかった。

昼休みは開放されている屋上。

芝生エリアに、ゴロンと見を投げ出す。

このままサボりたいなぁ、なんて思いながらお弁当を食べ終えると、そのまま眠ってしまった。

 目が覚めると、身体の上には男の人の制服のブレザーが掛けられていた。

「何、文化祭の準備サボってこんなところで寝てんだよ。
風邪ひいても知らないぞ。

期間限定とはいえ、俺たち野球部のマネージャー。
放送部。
生徒会。
時々軽音楽部のピンチヒッターのボーカル。

まだ10代で過労死したいのかよ、深明」

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