また君に会うための春が来て

薄暮れの街中でゴォッと車が通る音が聞こえてくる。



「神様。私は小説家のほうを選んだけれど、中途半端では上手くいかないことがわかりました」



そして、りおは、

「それじゃあ今回も!神様!お願いします!」

と、言った。



りおは、そう言って交差点で手頃な大型車両が通るのを待った。



…ゴォッ!

ズァッ…!



車の通り音が轟くゴショガワラ交差点。

「ドキドキするなぁ。これから神様が高2の春に連れてってくれる」



りおの独り言が多くなり、自然と周囲の人混みが、りおから離れていった。信号は赤と青を繰り返し、人混みは入れ替わるけれど、「変な女の子がいる」という空気が充満しているかのように、りおの周囲に人がいない。



しばらくして12トントラックが交差点に進入してきた。音が轟く交差点。直進だ。スピードも出ている。りおは「よし!」と思った。そして交差点の車道にタイミングよく飛び出して、12トントラックに跳ねられた。



ドカンと大きな音がして、ゴム毬のようにはじけ飛んだ。今までの記憶が走馬灯のように蘇り、痛みも凄まじいが、どちらかと言うと身体の感覚が朦朧としている。空中を飛び、薄れゆく意識の中で、今回の自分の行いを深く後悔した。りおの感覚は、地面に叩きつけられることはなく、真っ白な光に包まれていった。



りおは、このように知っていた。

「私がゴショガワラ交差点で大型車両に跳ねられると、神様が私を高2の春に連れていってくれる」

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