やり直し失恋令嬢の色鮮やかな恋模様
 マティアスは、綺麗な青い目を見開いた。

「……ニーナ? まさか、夢ではなく本物?」

「そうよ、マティアス、様。どうしても、それが聞きたかったの」

 マティアスは私の上からゆっくりと体を起こすと、ベッドに腰掛けた。

「……ごめん。言えない」

「どうして」

「ダメだ。これだけは」

「……どうしても言って欲しいの。もうあんな想いはしたくない」

 私の強い視線にマティアスは、何故か寂しそうに微笑んだ。

「僕は君を、絶対に失いたくない……絶対に」
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