やり直し失恋令嬢の色鮮やかな恋模様
「クルーガーの娘如きが、第二王子殿下付きの近衛騎士二人も手玉に取って良い気なものね」

「そんなこと……」

「だから、あの二人との関係が何もかも壊れれば良いと思ったの。それに、あの種馬はもうすぐ死ぬし、私は一人子供が出来たら用無しなんだもの。いなくなったら、私は未亡人として存分に遊ぶわ」

 彼女の言いように、大きな衝撃を受けて私は言葉を失った。

 ……マティアスが死ぬですって?

「あら……知らなかったのかしら? 何も知らないって、本当に可哀想だわ」

 ミレイユはくすくすと笑いながら、何も言えずに固まったままの私の隣を通り過ぎる。

「可哀想な身の程しらずな成金の娘……今に、思い知るが良いわ」
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