やり直し失恋令嬢の色鮮やかな恋模様
22 渇望
思っても居なかったことを言われたはずのラウル殿下は、私を見定めるようにじっと見つめていた。
マティアスも……戸惑っているかのように、何も言わない。何も言えないというのが正しいのか。私には、わからないけれど。
「メイヴィスの記憶は、まだ消えてない」
言葉を絞り出すようにして、ラウル殿下は答えた。私はそれを聞いて、ほっと息を落とす。
「……私はラウル殿下とメイヴィス様の恋を叶えることが出来たなら、ひとつだけ、願い事を叶えてくれると言われているんです」
「あの、偏屈な魔法使いに?」
ラウル殿下はそれを聞いて、驚いて私の顔を見た。
「あの魔法使いって……偏屈なんですか?」
ラウル殿下はここで、やっと厳しい顔を緩ませるように笑った。いつも通りの彼の笑顔にほっとする。
マティアスも……戸惑っているかのように、何も言わない。何も言えないというのが正しいのか。私には、わからないけれど。
「メイヴィスの記憶は、まだ消えてない」
言葉を絞り出すようにして、ラウル殿下は答えた。私はそれを聞いて、ほっと息を落とす。
「……私はラウル殿下とメイヴィス様の恋を叶えることが出来たなら、ひとつだけ、願い事を叶えてくれると言われているんです」
「あの、偏屈な魔法使いに?」
ラウル殿下はそれを聞いて、驚いて私の顔を見た。
「あの魔法使いって……偏屈なんですか?」
ラウル殿下はここで、やっと厳しい顔を緩ませるように笑った。いつも通りの彼の笑顔にほっとする。