やり直し失恋令嬢の色鮮やかな恋模様
「……驚いたな……君は二度目のこの時間に居るということか」

 時間をやり直したという私の話をすんなりと信じてくれる彼に、私は何だか複雑だった。

「以前の私は、マティアスに捨てられたと思い込んでいて、どこか自暴自棄になっていた……貴方の誘い立って断るべきだったのかもしれない。でも、貴方なら……絶対に私を裏切らないと、そう思った。でもマティアスの事情の真相を知った時から、どうしても、彼と居たくて……ごめんなさい」

 ジャンポールはため息をついて、私の顔をじっと見た。

「……それは、あいつが君のために命を捨てる、と言ったからか?」

「そうかもしれない……でも、私はマティアスが好きな気持ちをどうしても忘れられなかった。正直に言ってしまえば貴方の事も好きになりかけてた……でも、どうしても……忘れられないの」

「俺だって、君のためなら命は要らない、と言ったら?」

「ジャンポール」

「……よく考えてくれ、君は今特殊な環境に居て、これから解決しなければいけないこともある。だがこの先一生誰かと過ごすなら、よく考えて結論を出すべきだと思うが」

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