やり直し失恋令嬢の色鮮やかな恋模様
「……ラウル殿下とマティアスを呪ったのは、一体誰なのか教えてくれる?」

 魔法使いは機嫌よく喉を鳴らした。

「欲張りなお嬢さんだ。だが、嫌いではないよ……ただ、それを答えてしまうと、私が面白くないからな」

 不思議な力で魔法使いの体がふわりと浮いた。

「少しだけヒントだけあげよう。君とメイヴィス嬢が不幸になると一番喜ぶのは誰だ?」

 私はつい先ほどまで、魔法使いが居た空間を見つめた。

 ……一番喜ぶ? 誰のこと?

「まさか……」

 思い至った考えに大きく首を振る。そんな……。

 信じたくない。信じられない。それなら私達は、大きな勘違いをしていたことになる。




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