やり直し失恋令嬢の色鮮やかな恋模様
まんまと彼に夢中になった私を、あっさり捨てた人で。
「私はならないわ。ごめんなさい」
すげなく言い、料理に向き直った。
料理は温かくて、美味しい内に食べに限る。
恋と同じで冷えてしまったら、全然美味しくないんだもの。
◇◆◇
「ニーナ、また会いたい」
帰りの馬車で対面に座り、慎重にマティアスは口にした。しつこくも取れる言葉に、私は首を傾げた。
何故、マティアスは、私にそこまでこだわるんだろう。
誘っても乗って来ない。脈がない女なんて、放っておいて他に行けば良いのに。
「……どうして、私にそこまでこだわるの?」
私は疑問を、そのままに口にした。マティアスは息を呑んで、私の目をまっすぐに見た。
「理由は、自分でも良くわからない。初めて会った時から、君にすごく惹かれている。自慢ではないけれど、誘いを断られたのもはじめてだ……迷惑かもしれないが、君を諦めたくない」
マティアスは実際のところ、私と知り合う前は、気楽に関係を楽しむ人だったみたいだ。
グランデ家は、伯爵家で彼は三男。
お兄様が二人居て、とても気楽なご身分だ。
「私はならないわ。ごめんなさい」
すげなく言い、料理に向き直った。
料理は温かくて、美味しい内に食べに限る。
恋と同じで冷えてしまったら、全然美味しくないんだもの。
◇◆◇
「ニーナ、また会いたい」
帰りの馬車で対面に座り、慎重にマティアスは口にした。しつこくも取れる言葉に、私は首を傾げた。
何故、マティアスは、私にそこまでこだわるんだろう。
誘っても乗って来ない。脈がない女なんて、放っておいて他に行けば良いのに。
「……どうして、私にそこまでこだわるの?」
私は疑問を、そのままに口にした。マティアスは息を呑んで、私の目をまっすぐに見た。
「理由は、自分でも良くわからない。初めて会った時から、君にすごく惹かれている。自慢ではないけれど、誘いを断られたのもはじめてだ……迷惑かもしれないが、君を諦めたくない」
マティアスは実際のところ、私と知り合う前は、気楽に関係を楽しむ人だったみたいだ。
グランデ家は、伯爵家で彼は三男。
お兄様が二人居て、とても気楽なご身分だ。