恋しちゃってもいいですか?
声のした方を見るとそこにはなんと王子様と委員長がいた。目線的に私の方を見ている。てか2人ともデカ!しかも王子様間近で見るとさらにイケメン。キラキラと輝いてて爽やかさがある。あれ?というかなんで私が同級生って分かったんやろ?
「え,えっと…。」
ヤバい,なんて答えよ。迷子って言ったら馬鹿にされそう。
「まあ俺らも今から事務室向かうところや。一緒に行くか?」
「そうや!一緒に行こうや!俺,光畑優希。君,中尾さんやろ?」
気付けば王子様に名前まで知られてるぅ!!!
「なんで私の名前知ってんの?って顔してんな。さっき先生が言ってたってのもあるし上靴の色一緒やし同じクラスにおるし。俺,割と視野広いし周りよく観察してるから顔だけは大体誰が同じクラスとか覚えてんで!」
確かに。王子様は人脈広そうやし絶対モテてるし多くの人と過ごしてきたっぽいから自然と視野広くなるし周りをしっかり観察するようになるんやろうな。私とは真逆や。きっとこの人は私みたいな地味な人生歩まんとキラキラした人生歩んできたんやろうな。もうオーラが違う。
「話遮って悪いけど,お前ら2人,入学する前に校舎の配置の位置くらい覚えとけ。優希やって俺が付いてへんかったら今頃迷子なっとったぞ?」
委員長の言葉に釘を刺される私と王子様。流石委員長。
「あいつ,割とああいうところあるからあんま気にすんな。」
王子様はヒソッと私に教えてくれた。伊織たちはあんなにこの人のこと嫌ってたのに結構いい人やん。イケメンで性格良い人おらんって言ってたけどイケメンで性格良い人実際いるやん。2人とも嘘つき。
「翔真〜。帰りどっか寄り道しようや。」
「ハァ?無理。お前英検の勉強せんくていいんか?来月準二級の試験あるんちゃうん?受かるん?」
「い,いや。ま,まあそれは…ちゃんとやるよ。ハハハ。」
なんか急にトーク始まった。
「ハァ…ちゃんと勉強やるって言ってやった記憶ないんやけどな。」
「いやあるやん!高校受験ちゃんとやるって言ってちゃんとやったやん!」
「あー。バスケ部まで土下座しに来たやつか。」
「あれホンマ黒歴史やから人前で言うんやめて。」
漫才…?しかもこの王子様人前で土下座したん!?意外!
「結局スポーツ推薦で合格した賢い奴に教えて貰っとったな。」
「だって俺自力じゃ無理やったもん!これでも俺頑張ってんで?褒めてよぉ。」
「当たり前のことなんで褒めなあかんの?」
「そんなケチくさいこと言わんで良いや〜ん。」
なんか王子様思ってた印象と違う。もっと爽やかでキラキラしてると思ってたけどおちょくるときはおちょくるし少し甘えん坊?なところがある。あと頭良いと勝手に妄想してたけど全然そんなことなかった。申し訳ないけど。一方委員長は予想通り。ズバッと正論言うのは想像してなかったけど真面目で賢い。そして王子様のツッコミをしてる。真逆すぎるこの2人。でも性格が真逆やからこそ息が合ったりするんかな?伊織と洸は…似たもの同士やな。私と香穂は…どうなんやろ?性格真逆なんかな?
「なあなあ,中尾さんって何部入るか決めた?」
「…え?あ,私?」
「逆にこの中で中尾って苗字1人しかおらんやろ。」
うっ。またズバッと委員長に言われた…。刺さるなぁこの人の言葉。私あんま得意じゃないかもこのタイプの人。
「私は…中学テニス部やったってこともあってバドミントン部にしよっかなって思ってる。2人は?」
「俺はまあバスケかな。中学もそうやったし。」
「俺はバレー部入りたいけど俺と一緒にバレーやりたい奴が2人おるんよ。その2人,中学のときは県内トップのプレイヤーで,ちょうどこの学校におるはずなんやけどなぁ。」
「ハァ〜…。そいつらとバレーやりたいからってわざわざ強豪校からの推薦断って。もしその2人おらんかったらこの学校に来た意味無くなんで。」
「わーてるって。」
話し方的に2人とも付き合いが長そうな感じする。
事務室につき,用を済ませ,私たちは玄関ホールに向かった。
「中尾さんってさ,なんかこれ好きとかあるん?」
急に王子様が聞いてきた。好き…好き?よくよく考えたら私好きなものないかも。私って,何が好きなんやろ?
「…特にないかも。特技も取り柄もないから。光畑くんは?なんかあるん?」
「俺はバレーボール!将来もプロ行けたらいいなあって思ってるけど実際はそんな甘くないんよ。中学のときにそれは実感した。えげついスパイク打つスパイカーがおったんよぉ。」
バレーボールの話をするときの王子様の表情は輝いてる。羨ましい。私もそんな風に熱く語れる何かが欲しい。私にはない。一生味わうことがないかもしれへん感情。
「いいなぁ,何かに熱中できることがあって。」
「そうか?人生なんてこれからやん。」
「でも光畑くんには将来の夢もあってやりたいことちゃんと把握してる。そして自分のこと理解してる。それに比べて私は将来何がやりたいんかも分からへんし特技やってないし未来の武器もない。だから人生なんてこれからってよく言うけど私それまでに夢なんて見つからん気がしておばあちゃんになっても夢がないんちゃうかって思うんよ。」
王子様も委員長も黙って私の話を聞いてくれる。そしてしばらく沈黙。なんかすいません。
「流石にそれはないやろ。」
突然委員長が口を開いた。
「え,えっと…。」
ヤバい,なんて答えよ。迷子って言ったら馬鹿にされそう。
「まあ俺らも今から事務室向かうところや。一緒に行くか?」
「そうや!一緒に行こうや!俺,光畑優希。君,中尾さんやろ?」
気付けば王子様に名前まで知られてるぅ!!!
「なんで私の名前知ってんの?って顔してんな。さっき先生が言ってたってのもあるし上靴の色一緒やし同じクラスにおるし。俺,割と視野広いし周りよく観察してるから顔だけは大体誰が同じクラスとか覚えてんで!」
確かに。王子様は人脈広そうやし絶対モテてるし多くの人と過ごしてきたっぽいから自然と視野広くなるし周りをしっかり観察するようになるんやろうな。私とは真逆や。きっとこの人は私みたいな地味な人生歩まんとキラキラした人生歩んできたんやろうな。もうオーラが違う。
「話遮って悪いけど,お前ら2人,入学する前に校舎の配置の位置くらい覚えとけ。優希やって俺が付いてへんかったら今頃迷子なっとったぞ?」
委員長の言葉に釘を刺される私と王子様。流石委員長。
「あいつ,割とああいうところあるからあんま気にすんな。」
王子様はヒソッと私に教えてくれた。伊織たちはあんなにこの人のこと嫌ってたのに結構いい人やん。イケメンで性格良い人おらんって言ってたけどイケメンで性格良い人実際いるやん。2人とも嘘つき。
「翔真〜。帰りどっか寄り道しようや。」
「ハァ?無理。お前英検の勉強せんくていいんか?来月準二級の試験あるんちゃうん?受かるん?」
「い,いや。ま,まあそれは…ちゃんとやるよ。ハハハ。」
なんか急にトーク始まった。
「ハァ…ちゃんと勉強やるって言ってやった記憶ないんやけどな。」
「いやあるやん!高校受験ちゃんとやるって言ってちゃんとやったやん!」
「あー。バスケ部まで土下座しに来たやつか。」
「あれホンマ黒歴史やから人前で言うんやめて。」
漫才…?しかもこの王子様人前で土下座したん!?意外!
「結局スポーツ推薦で合格した賢い奴に教えて貰っとったな。」
「だって俺自力じゃ無理やったもん!これでも俺頑張ってんで?褒めてよぉ。」
「当たり前のことなんで褒めなあかんの?」
「そんなケチくさいこと言わんで良いや〜ん。」
なんか王子様思ってた印象と違う。もっと爽やかでキラキラしてると思ってたけどおちょくるときはおちょくるし少し甘えん坊?なところがある。あと頭良いと勝手に妄想してたけど全然そんなことなかった。申し訳ないけど。一方委員長は予想通り。ズバッと正論言うのは想像してなかったけど真面目で賢い。そして王子様のツッコミをしてる。真逆すぎるこの2人。でも性格が真逆やからこそ息が合ったりするんかな?伊織と洸は…似たもの同士やな。私と香穂は…どうなんやろ?性格真逆なんかな?
「なあなあ,中尾さんって何部入るか決めた?」
「…え?あ,私?」
「逆にこの中で中尾って苗字1人しかおらんやろ。」
うっ。またズバッと委員長に言われた…。刺さるなぁこの人の言葉。私あんま得意じゃないかもこのタイプの人。
「私は…中学テニス部やったってこともあってバドミントン部にしよっかなって思ってる。2人は?」
「俺はまあバスケかな。中学もそうやったし。」
「俺はバレー部入りたいけど俺と一緒にバレーやりたい奴が2人おるんよ。その2人,中学のときは県内トップのプレイヤーで,ちょうどこの学校におるはずなんやけどなぁ。」
「ハァ〜…。そいつらとバレーやりたいからってわざわざ強豪校からの推薦断って。もしその2人おらんかったらこの学校に来た意味無くなんで。」
「わーてるって。」
話し方的に2人とも付き合いが長そうな感じする。
事務室につき,用を済ませ,私たちは玄関ホールに向かった。
「中尾さんってさ,なんかこれ好きとかあるん?」
急に王子様が聞いてきた。好き…好き?よくよく考えたら私好きなものないかも。私って,何が好きなんやろ?
「…特にないかも。特技も取り柄もないから。光畑くんは?なんかあるん?」
「俺はバレーボール!将来もプロ行けたらいいなあって思ってるけど実際はそんな甘くないんよ。中学のときにそれは実感した。えげついスパイク打つスパイカーがおったんよぉ。」
バレーボールの話をするときの王子様の表情は輝いてる。羨ましい。私もそんな風に熱く語れる何かが欲しい。私にはない。一生味わうことがないかもしれへん感情。
「いいなぁ,何かに熱中できることがあって。」
「そうか?人生なんてこれからやん。」
「でも光畑くんには将来の夢もあってやりたいことちゃんと把握してる。そして自分のこと理解してる。それに比べて私は将来何がやりたいんかも分からへんし特技やってないし未来の武器もない。だから人生なんてこれからってよく言うけど私それまでに夢なんて見つからん気がしておばあちゃんになっても夢がないんちゃうかって思うんよ。」
王子様も委員長も黙って私の話を聞いてくれる。そしてしばらく沈黙。なんかすいません。
「流石にそれはないやろ。」
突然委員長が口を開いた。