恋しちゃってもいいですか?
「え?」
「流石に年取るまで夢がないことはないと思うで?遅くても大学生の頃には見つかってるやろ。」
「そうかな…?」
「だってこの高校3年間,そして大学の4年間で色々あるんやで?たまたま自分が何かに携わったときに『あ,これええな。面白い。自分もこんなんやりたい。』なんてことあるし絶対。まだ未知の可能性が広がってる年齢やのに自分をマイナスに言うな。自分のことマイナスに言いまくってたら未来の良いことも全部悪いことになる。俺も将来何になりたいとかイマイチ分かってへんし。お前だけちゃうねん。」
なんやろ。委員長は棘のある言葉しか言わへんと思ってたけど全然そんなことない。むしろ心に響く言葉もちゃんと言う。結構いい人。
「そうやね。ありがとう。」
「ホンマに翔真って人生何回目なんやろうなって思うわ。流石ABCテレビ局長の息子!」
「だからそれ関係ないって。」
なんやろ。2人に少し救われた気分。その後玄関ホールで待っている香穂と合流し,そのときに王子様の姿を見るなり怪訝な顔をされ,結局バイバイできないまま帰った。
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