恋しちゃってもいいですか?
〜結愛side〜

「なあなあ,結愛と香穂と愛莉って好きな人おったりする?」
放課後私,香穂,美奈,愛莉の女バド4人で女子トークをしながら帰ってた。勿論寄り道して。愛莉はいつも女バスの友達と帰っているんやけど今日はその子と部活の休みが被らんかったから私たちと一緒に帰ることとなった。
「好きな人?おらんなぁ。」
「結愛は?」
「えっ…う,う〜ん。お,おらんなぁ…。」
その反応にピンときたのか,美奈は興味津々に,
「その反応はおるってことやね!」
「え!?いや,おらんおらん!」
「いやこれはおるわー。」
ニヤッとする美奈。
「ホンマにおらんって。」
なんで美奈ってこんなに感鋭いんやろ?香穂もやけど2人とも恋愛になると感鋭くなる。なら私も,
「そう言う美奈は?好きな人おるん?」
聞かれたら聞き返す。今の美奈なら通用する技や!なあ香穂,お願いやから
『え?珍しく結愛が腹黒になってる!』
って言ってるような顔せんといてよ。
「い,い,いや!お,おらんよ?す,好きな人。」
うん,やっぱり。おるなこれ。
「あーもう分かった。ここはみんな正直に言おう。1人ずつ言っていくで?まず私から。正直に言います!好きな人いません!はい次愛莉!」
流石3人兄弟の1番上である香穂。話を仕切ってくれる。
「愛莉〜?うーんおらん。これガチ。」
と言って親指を立てる。マイペースな話し方が特徴の愛莉。言い方的にいなさそう。
「あじゃあ次適当でいい?」
「いいよー。」
「んじゃあ結愛でいっか。結愛は?好きな人おるん?」
まさか次自分に回ってくるとは思わんかった。でもここは正直に言うしかない。
「まあ…。おるっちゃおる。」
「え?やっぱりおるんやんか。誰?」
「ここは気になる。教えなはれ。」
「え…ま,まずは同じクラス。」
隣で香穂が頷く。彼女は全部知ってる。
「私より背が高い。」
「それ男大体そうやろ?」
愛莉に正論を言われる。そして私は覚悟を決め,深呼吸する。
「…出席番号は私の後ろで席も私の後ろである中山伊織です!」
言っちゃったぁ…。
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