恋しちゃってもいいですか?
休み時間になって私は服部くんに話しかけた。
「なあなあ服部くん。」
「何?」
うん,予想通り。朝より不機嫌。ちょっと声が怒ってる。
「私は授業中ゲームしたり寝たりするのは本人の勝手やし,いちいち細かい注意をするつもりはないよ。でもさ,高校って欠点っていうのがあるんは知ってると思うけどそれを何個か取ってしまったら留年とか普通にあるんよ。中学みたいに簡単に進級できるわけじゃないねん。」
「そんくらい僕も知ってるよ?」
服部くんの声がちょっと柔らかくなる。ちょっと一安心。
「そうやね。でもいつも授業中ゲームとかばっかしてテストの点数取れへんかったらどうするん?私はそれだけが心配。ゲームとかがバレて反省文になってもそれはそれで自己責任やと思うし。私には関係ない。でも成績だけは心配かな?」
すると服部くんはニカっと笑い,親指を立てて,
「それに関しては問題ないで。僕教科書テスト直前に見て90取れる人間やから!」
思ってたより凄い〜!心配した私がアホやった。結構賢い?
「じ,じゃあテスト勉強殆どしてへんの?いつも。」
「うん!してへんで。大体テスト期間は部活ないからずっとゲームしてる!」
想像してた以上に凄い。真の天才って感じがする。
「凄いなぁ…。じゃあ中学時代の通知表殆ど5やったん?」
「殆どって言うか全部。」
「オール5!?」
「イエッサー!」
ヤバ…本物の天才や…。人生でこんな天才に出会うなんて想像もしてへんかった。私でも中学時代通知表オール5取ったことないのに。殆ど5ならあるけど。
(何者?この子。)
私はこの時本気でそう思った。
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