恋しちゃってもいいですか?
〜伊織side〜

翔真も香織も無事仲直りできて良かった。それはそうなんやけどさ,さっきも言ったかもしれへんけど,香織。お前なんで結愛と2人で話してんねん。ずるいって。羨ましいって。もう俺全然2人きりになられへんのになんで俺よりも先にお前が結愛と2人きりで話してんねん。
「結愛,さっき香織と何話したん?」
「香織と?まあ色々。」
「色々?色々って何?」
俺はついムキになって聞いてしまった。
「伊織何怒ってんの?」
「いや別に怒ってないけど。」
なんで俺こんなに嫉妬してしまうんやろ。困るなぁ。
「香織の過去の話聞いてたんよ。私が体験したことないようなこといっぱいあってちょっと可哀想やなって思った。」
そして俺は結愛からざっくり香織の過去の話を聞いた。うん,確かに俺も経験したことないようなこと多いし色々大変やってんな,アイツも。
「結愛。」
「ん?」
「その…香織って結構大変やってんな。」
「そうやね。だからあんまり他の人には言わん方がいいね。」
「うん,そうやな。」
隣で結愛が頷く。
「優しいな,お前。」
「え?私別に優しくないよ。当たり前のことしてるだけ。」
「そっか。」
「うん。」
「その…さっきはごめんな。キツい言い方しまって。」
「え?あー,気にしてへんから大丈夫よ。」
だと良いんやけどなぁ。結愛は自分を犠牲にしがちなところがある。俺がなんとかしたい。俺が結愛を幸せにしたい。
(明日一緒に帰りたいなぁ…。休日遊びにも行きたいなぁ。)
< 51 / 75 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop