恋しちゃってもいいですか?
〜結愛side〜

昼休みになり,私は香穂と一緒にお弁当を食べようとしたとき,
「あ,あの…ちょっといいすか?」
急に誰かが私たちのところに話しかけてきた。誰やろ?って思ってその人の方を見ると相手はなんと私が今気になってる男の子。え?どゆこと?なんで?
「はい?どうしましたか?」
何も気にせずにサラッと男子の相手ができる香穂がちょっと羨ましい。
「えっと…あの…お2人さんってぶ,部活って何部入るか決めてますか?」
「決めてますけど。なにか?」
するとその人は急に頭を下げて大きな声で,
「あの!もし宜しければサッカー部のマネージャーになっていただけないでしょうか?」
え〜!?いきなりすぎる。
「あの…お気持ちは嬉しいんですけどなんで私たちなんですか?」
少し険しい声で香穂は返答する。
「えっと…いやぁお2人さんってめっちゃ可愛いじゃないですか?それに俺も貴女がたにマネージャーやってくれたら嬉しいなって思いまして…。」
「分かりました。お断りさせていただきます!わざわざお声がけていただいたのにごめんなさいね。私たちもうバド部入るって決めてるんで。では。」
香穂にあっさり断られてしまったその人はキョトンとした顔をしていた。なんかちょっと可哀想。
「結愛,行くで。」
「あ,うん。」
(結局私何も口出しできひんかったな。)
せっかく声をかけてくれたのにそのチャンスを台無しにした私。香穂にはちゃんと事情話そうと思った。これは仕方がない。香穂は別に悪くない。

「か,香穂…。あのさ…。」
「ん?どしたん?」
手を洗いに行くついでに私は思い切って香穂に言うことにした。
「私今気になってる人いるねん。」
もうこうなったら言ってしまえ!香穂は別に他人にペラペラ話すような子じゃないから大丈夫。
「え?誰?この学校?」
「うん。」
「え!?誰?何組?」
「4組。」
まさかの同じクラス!?と思ってるんやろうな。開いた口が塞がらないとはこういうことをいうんやろうか。とにかく香穂はポカーンと口を開けたままほんの数秒固まってた。
「でもこのクラス同じ中学の人そんなおらんで。」
「あ,中学は違うんよ。」
「あ,そうなん!?えちょっと待って。ますます気になる。どんな人?」
「えっと…さっきサッカー部のマネージャーに勧誘してきた人。」
と言うと香穂はさっきとはまた違う,凄く申し訳なさそうな顔をして,
「嘘!?えっ…ガチごめん。私結愛があの人のこと気になってるとか知らんくて…ちょっと待ってホンマにごめん!!」
「いいよぉ。私やって何も話してなかったんやし。それに席も前後なんやけど話しかける勇気なくて…さっき話しかけてくれたとき私も何か言えば良かった。」
「いやこれは私が悪い。私がズカズカ言ってしまったせいで…。」
シュンとした顔。普段香穂は明るいからそんな顔滅多にしない。
「香穂,これは別に誰が悪いとかないから。気にせんといて。」
「気にするよぉ。さっきの人に謝りに行かな…。」
お?待って。まだその手があるやん!謝って距離縮めて仲良くなる。今昼休みやしチャンスや!香穂ありがとう〜!!
「香穂!まだ手はあるから大丈夫やで!」
「え?」
私は今自分が考えた作戦を香穂に全部話した。すると香穂はさっきみたいなショックな顔からパァっといつもの明るい顔に戻った。
「そうやな!!まだチャンスあるやん!」
私たちは早速作戦を考えた。
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