恋しちゃってもいいですか?
伊織は私の方を見るといつもの優しい伊織に戻って,
「大丈夫か?」
と心配してくれた。さっきまで怖かったから少しホッとする。でも今の伊織とあの伊織が同一人物なんやと思うとちょっとゾワっとする。
(あれが,伊織の本性…?)
正直震えが止まらへん。伊織は想像以上に気性の激しい人やった。

〜伊織side〜

やってしまった。アイツらのせいでつい喧嘩するときの俺を出してしまった。結愛絶対怖がってたやろうな。あんなん慣れてへんと思うし。あーもう俺何やってんねん。
「結愛,ごめん俺つい…。」
「あ,ううん。全然大丈夫。」
そうは言うけど顔全然笑ってへん。すごくショックそうな顔してて暗い。
「伊織。」
「ん?」
「もうここでいいよ。アイスごちそうさまでした。ありがとう。じゃあね。」
と言って小走りで帰って行った。しかも俺の方を見んと。あ,俺人生ホンマに終わった。これ絶対結愛に嫌われたやつや。明日から生きていける気がせえへん。
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