【完】同棲ギブアンドテイク〜スパダリ部長と秘密の同棲始めました〜
総務部内にある小さな会議室。私がよく部長にお説教されるその部屋で毎回インタビューをすることになっている。
インタビュー、なんて大袈裟に言っているだけで実質10分もせずに終了する簡潔なアンケートのようなものだ。
昼休みが終わって直ぐに、総務部に訪れた長身の男性が「……あの、社内報の件で、、」っと呟いたのが聞こえて、すぐさま彼の元へと駆け寄る。
「っお、お疲れ様です…社内報の社員紹介ページを担当しております、芳野と申します。」
慌てて声をかけた私に、小さく頭を下げた彼。そのまま会議室へと案内して…二人きりになってすぐの事だった。
コンコン、っとドアをノックされ…返事をするより先に開かれた扉の向こうから、何故か部長が部屋に入ってきたのだ。
「……部長…?」
っと、私が声を掛けたのとほぼ同じタイミングくらいに…目の前に座っていた営業部の水沢さんが席を立って部長に深深と頭を下げた。
突然の流れについていけず、一人困惑している私をよそに…部長は何も言わずに自分も同席するかのように空いた席に座ってただジッとこちらを見据えている。