【完】同棲ギブアンドテイク〜スパダリ部長と秘密の同棲始めました〜
これは一体どういう状況……?っと、困惑している私に助け舟を出してくれたのは部長ではなく、営業部の彼の方で─…
「折原部長はおそらく、俺が余計なことを喋らないか監視するために同席してるだけだから…気にせず始めてもらって大丈夫ですよ?」
っと、なんとも気になる発言をされてしまい思わず部長に視線をずらしてしまう。
「君は4月入社だから知らないと思うけど。俺の奥さんも3月末まで総務部に居たんだ」
「……そうなんですね、社内恋愛ですか?」
「まぁ…そんなところ。っで…そこにいる折原部長とはライバルだった」
まさかの展開に、心臓が嫌な意味でザワつく。例の元カノと別れてから恋人は居なかったと言っていた部長。そのことに安心しきっていたが…どうやら好きになった人は存在したらしい。
「……水沢、余計な無駄話をする為に来たなら仕事に戻れ。」
「別に俺は社内報に”折原部長とは恋敵だった”って書かれても、なんの問題もないですけどね」
「………芳野、水沢のことなら俺が教えてやるから。もう話を聞く必要は無い…デスクに戻って佐藤のサポートをしてやってくれ」
半ば強引に、部長に追い出されるような形で会議室を出されてしまった。
そのあと二人が何を話したのかはもちろん知らないが…部長に女性の影がチラついたことで、その日の私の仕事は後半失敗続きでとても憂鬱なまま定時でタイムカードをきることになった。