【完】同棲ギブアンドテイク〜スパダリ部長と秘密の同棲始めました〜


私が不得意だとするパソコンのスキルは、検定試験を受けて何らかの資格を持っているほどの知識があり即戦力になる…と、その日のうちに私が任されていないような書類作りを淡々とこなしていた。



それだけでなく、英語…韓国語、中国語が得意で他部署から呼び出されて部署を越えて活躍するほどのスペックの高さ。



一方で私は彼女の凄さに圧倒されてしまい、ミスを連発してしまう。そんな私を立花さんが先輩として接してくれるはずもなく─…



「……芳野さん、暇ならコレ…コピーしてきてもらって良いですか?」



一週間も経てば、立場は逆転…私が彼女から仕事をもらうような形になり…劣等感のような感情がぐるぐると脳内を支配する。



そして最も気が滅入る瞬間が──…



「折原部長、頼まれていた資料の作成が完了致しましたので…お手隙の際にご確認頂けますか?」



「……仕事が早いな、助かるよ。ありがとう」



って……立花さんが部長と関わる瞬間が、最も心臓に悪い光景で。仕事で部長のことを支えられている彼女に嫉妬みたいな感情を抱いてしまう私は本当に、社会人としても一人の人間としても…とても器の小さいダメな人間だ。


< 116 / 181 >

この作品をシェア

pagetop