【完】同棲ギブアンドテイク〜スパダリ部長と秘密の同棲始めました〜
部長に対してときめいたことは一旦保留にして、その後もう一度社内報のページを一から作成し直した。
「……あの、佐藤さん。ここ教えて貰ってもいいですか?」
分からない時はすぐに先輩を頼って…自己解決したりネットで調べてその場を凌ぐのを避けた。
部長の言葉は確実に私の心に響いていて…結局定時までの時間では終えることが出来ず、一旦タイムカードを押してから一人残って作業を進めようと再びデスクについた。
……しかし、、横から伸びてきた手によってパソコンの主電源を落とされてしまった。
何が起きたのか、と顔を上げると、、
「うちの会社は必要のない残業は出来ない。定時を過ぎるとパソコンは一斉にロックがかかる。解除するには上の人間の許可が必要だ…って、前にも説明したよな?」
すっかり見慣れたお馴染みの呆れ顔で私を見下ろす部長がすぐ隣に立っていた。
「……そうでしたっ…では部長、残って作業がしたいのでロックを解除してください」
「あぁ……断る。」
「………はい?!」
部長はロックを解除する気は無いらしく、帰宅していく社員に「お疲れ」と声を掛けるばかりで私の願いを聞き入れてくれる様子は無かった。