【完】同棲ギブアンドテイク〜スパダリ部長と秘密の同棲始めました〜
「…あれから、休憩も取らずに画面と向き合ってたみたいだが…焦る必要は無いし、時間をかけて構わないと言った俺の言葉をもう忘れたのか?」
「い、いえ……ただ早く完成させて、部長に確認して頂きたかったので、、」
「精を出すのはいいことだが、身体を壊してしまえば元も子も無い。体調管理に気を配り、欠勤しないことも今の芳野に出来る立派な勤めだ。」
……休まないことが仕事。確かにその通りだ。
何も出来ないならせめて、休まずに出社して掃除でも買い出しでも出来ることをすればいい。
「それに、タイムカードを打刻した後で一人残って働かせたとなれば…俺が芳野に違法な残業をさせたということになるな。」
「……そんなっ、私が勝手にした事なので部長は何も悪くないです!!」
「そう思うなら…今日はもう帰って休め。」
私を一人残らせないために、そんな言い方をしてくれたのだろうか?だとしたら…ヤバい。何がって……胸が、キュンキュンする。
飴と鞭を使い分ける天才スパダリ部長に、優しい言葉をかけられて、張り詰めていた気持ちが少し緩んだのか─…
部長の前だというのに、恥知らずな私の身体は…なかなか大きな音量で空腹を知らせた。
恥ずかしくて慌ててお腹の辺りに手を持っていくが、すぐ隣にいた部長には聞こえてしまったみたいで。
「……予定がないなら、飯でも行くか?」
「…………え?!」
「金曜の夜に、お互い憂鬱な気持ちのまま過ごすのは嫌だろ?昼…少しキツく言い過ぎたという自覚はある。芳野の都合が良ければ…晩飯でも奢らせてくれ」
この後予定が入っていたとしても、そんなものは迷わずキャンセルしていた事だろう。
注意してしまった部下に対するアフターフォローが完璧すぎる。本当にどこまでも着いていきたいです─…部長、、