【完】同棲ギブアンドテイク〜スパダリ部長と秘密の同棲始めました〜
お風呂から出たら部長に連絡を入れようと思っていたが、、
髪を乾かした後、胃がキリキリと傷んで…先に胃薬を飲んでリビングのソファーで少しだけ横になろうと寝転んだのが悪かったのか。
目が覚めると朝の6時半だった。
「……行きたくないっ」
学生の頃、よくお父さんにワガママを言ってズル休みさせてもらったことを思い出した。そう、昔から私はこういう性格だった。
嫌だと思うことがあれば逃げ道を探して、避けるような日々を過ごして生きてきた。今だって、、
部長に声を掛けてもらっていなければ、詐欺にあった時に仕事を辞めていたことだろう。ここまで続けられたのはそばで部長が支え続けてくれたからだ。
だけどっ…その部長も今や、立花さん側に着いてしまっているのかもしれない。私の知らない空白の時間を、異国の地で二人が共有したことは確かだ。
手の中で部長からの着信を知らせるスマホを見ながら、もはや何を信じたらいいのか分からなくなっていた。
いつも欠かさず摂っていた朝食も口にすることなく、重い身体を引きずるようにして会社へと向かった。