【完】同棲ギブアンドテイク〜スパダリ部長と秘密の同棲始めました〜


会社に着くと、謎の緊張感に胸がキュッと締め付けられる。別に何も悪いことをした訳でもないのに、足を踏み入れることを躊躇ってしまう。



「……芳野、体調は大丈夫か?」



私より後に出勤してきた課長に声をかけられ、顔面に笑顔を貼り付けて「大丈夫です」と答えた。



今日を乗り越えると、明日から週末でお休みだ。土日の連休を使って遠出でもして…気晴らしをしよう。



そう思うと何とか今日一日を乗り越えられるような気がして…朝から黙々と自分に与えられた仕事をこなした。



しかし…お昼休み明けの午後、、一人の男性社員が焦ったように声をあげたことで再び嫌な緊張感が走る。



「……これ。この発注書、作成したのって誰?いつもの倍の数の注文が入ってるけど正しいのかって…先方から確認の電話が来たんだけど、、」



発注書、なんて私はまだ作成したことがないし…そういう大事な書類を任された時はFAXする前に必ず課長か部長に確認してもらうようにしている




だから…自分では無い、とハッキリ言い切れる自信があった。とはいえ部署内で起こったことを他人事にするつもりもない。私に出来ることがあれば何か力になりたいと思う。



そんな私の耳に聞こえてきたのは、少し震えたような声色の立花さんの声で。


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