【完】同棲ギブアンドテイク〜スパダリ部長と秘密の同棲始めました〜
「そ、それ……FAXしたのは私です。」
っと、顔を真っ青にした彼女を見てみんなが黙り込んだあと立花さんは何故か私のことをジッと見つめて、、
「でも書類を作成したのは私じゃないです。昨日、芳野さんが早退する前に作成した発注書をFAXしておいて欲しいと頼まれてっ、それで、」
なんて…耳を疑うような虚言が聞こえてきて思わず目を見張った。
そんな話、誰も信じるはずがない。私がそんな仕事を任せられると先輩方も思っていないだろう。
課長に誤解を解いてもらおうと、視線をズラしてみたが…どうやら先程の男性社員が受けた電話を引き継ぎ、先方と話し込んでいるみたいで…こちらの話しは聞こえていないみたいだった。
「確かに、昨日の芳野ちゃん…具合悪そうだったもんね」
「ミスの連発で課長にも呼ばれてたもんな」
「芳野さんなら……仕方ないよね」
昨日の私のミスの連発による被害に遭っていた先輩方が口を揃えて”仕方ない”と言い出し始めるともう誰も私の話なんて聞いてくれない。
「……私じゃ、ないですっ」
責められている訳でも、責任を取れと言われているわけでもないが…それが逆に辛かった。