【完】同棲ギブアンドテイク〜スパダリ部長と秘密の同棲始めました〜
「なんて言えば伝わる?好きだ…って言葉で沙奈が満足するなら何度でも言ってやるが、そんな軽い言葉で片付けられるようなものでもない」
さりげなく、サラッと欲しかった言葉を流されるように呟かれたが…それ以上の言葉たちに胸が熱くなる。
「大事にしたいと思ったんだ。その気になればいつでも抱くことは出来たが…曖昧な関係のまま、一線を超えることは避けたかった。身体の関係から募った気持ちだと、思われたくなかった」
「もしかして、、最初の日以来、私に身体を触れさせてくれなかったのも……いつも私に触れた後すぐに寝室を出ていって水を持ってきてくれてたのも…そのせい?」
「沙奈に触れられたら理性を保てる自信がなかったからな。俺の腕の中で乱れる沙奈を見て、毎日理性との闘いだったよ。水を持って行くのを口実に、毎回冷水で顔を洗って高ぶった感情を落ち着かせてた」
信じ難い事実に、再び涙が溢れ始める。
「いつも後ろから沙奈を抱き締めて寝てたのは…正面から抱き合ってしまうと、俺が反応してることに気付かれるだろうと思って。少し身を引いて当たらないように…後ろから抱き締めて寝るようにしてた」
「……言って欲しかったですっ、そしたらもっと早く一緒になれたのに、、」
切なげに笑った部長は、ゆっくりと顔を近づけてきて…涙に濡れる私の頬にキスを落とした。